2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧
万両図小柄 後藤程乗 万両図小柄 後藤程乗 万両、千両、藪柑子などは、雪の中に真っ赤な実、あるいは暖か味のある白い実をつけて鮮やかであることから、お正月の飾りなどに尊ばれている。その清楚で風情ある景色を描いた小柄。風景としての捉え方、雪のあり…
軍馬図小柄 法橋程乗 軍馬図小柄 法橋程乗 後藤程乗自身銘の、珍しい地彫になる作。野に放たれて躍動する軍馬。まだ鞍を外さぬまま野に飛び出してしまった。若々しさ、強さ、生命感などが表現されている。このような後藤の伝統から離れた作風に挑んでいるの…
虎の児渡し図小柄 後藤程乗 虎の児渡し図小柄 後藤程乗 これも程乗極め。やはり上手だと思う。多彩な図柄に挑み、見事に作品化している。虎の児渡しは禅の問答にも通じる題であるが、虎そのものも武家に好まれた要素であり、霊獣と共に描かれる。
龍頭鞭図小柄 後藤程乗 龍頭鞭図小柄 後藤程乗 鞭と采配。武家の持ち物だが、龍の頭を備えた鞭としており、武家の象徴という意味か。貫禄のある作品である。彫口も引き締まっている。鞭の様子が、龍の背骨のようで、これも表現として面白い。後藤程乗極め。
波に剣巻龍図小柄 後藤顕乗 波に剣巻龍図小柄 後藤顕乗 龍の彫り出されている波文の地板は朧銀地。 波に這龍図小柄 加賀後藤 波泳ぎの龍。小柄そのものが大振りの仕立て。ここに珠を手にしている双龍が華麗に彫り描かれている。
葵祭図小柄 後藤顕乗 葵祭図小柄 後藤顕乗 加賀後藤の作風を再確認している。こうして眺めていると、図柄の選択や表現方法、色金の多彩さも含めて変わりつつあるように感じられる。時代の移り変わりもあろうが、その変革の先を行ったのが加賀後藤であったろ…
軍馬図小柄 後藤悦乗 軍馬図小柄 後藤悦乗 松の木に繋がれ、激しく躍動する軍馬。嘶く声も聞こえてきそうな場面を題に得ている。悦乗は程乗の子で理兵衛家を相続した。程乗と同様に加賀前田家に出仕して加賀金工の発展に寄与した。
桜井の駅図小柄 後藤顕乗 桜井の駅図小柄 後藤顕乗 楠木正成とその子正行の別れの場面。『太平記』に取材したもの。後藤家には源平合戦に取材した作品が多い。源平合戦の各場面は、武家が備えるべき意識として大きな意味を持つところから、常に腰に備える武…
四睡図小柄 後藤程乗 廉乗 光壽 四睡図小柄 後藤程乗 廉乗 光壽 これも面白い。虎を枕としている豊干禅師、寒山、拾得の四者が眠る図は、禅機画として好まれた。ここでは、中央の豊干禅師を程乗が彫り描いている。寒山が廉乗、拾得が光壽。三工による、資料…
狐罠図小柄 後藤程乗 狐罠図小柄 後藤程乗 面白いのがこの図柄。狐を捉えようとしている図だが、狐は罠であることを見破っているようだ。真剣な猟師に対して何やら笑っているようにも感じられる狐の表情が面白い。貴重な後藤程乗自身銘が刻された作。この図…
子犬図目貫 後藤程乗 子犬図目貫 後藤程乗 犬は安産を願って描かれることがある。お守りとされたりもする。犬が多産であることから、また、母性が強いことからのものであろう、子孫繁栄をも含めて好まれた図柄である。装剣小道具では子犬が描かれることが多…
牡丹獅子図二所物 後藤程乗 牡丹獅子図二所物 後藤程乗 赤銅一色ながら豪奢で華やか。古典的な牡丹に後藤家の伝統的な獅子を組み合わせた作ながら、匂い立つような妖艶さを漂わせている。漆黒の素材がこれほど美しいものかと、改めて感じさせてくれる。金の…
剣 家久 剣 家久 室町時代後期天文頃の短剣。肌立つ板目に細直刃。これも、密教に通じた武士の持ち物であろう。剣は、武器というより法具ではなかったかと思うのだが、意外にも研磨が重ねられて身幅が狭まっている遺例が多い。特に戦国時代を遡る作では。江…
雲龍図鐔 加賀後藤 雲龍図鐔 加賀後藤 古典的太刀鐔様式を取り入れながらも打刀に使えるよう構成したもの。耳に額状の装飾を施し、ここにも雲を金の色絵で彫り描いている。こうした華麗な風合いが作品の背景にあり、しかも伝統的な龍神を主題としている。美…
剣 文珠 剣 文珠 江戸時代初期の大和文珠鍛冶の短剣。密教に通じた武士、あるいは僧の持ち物として鍛えられたものであろう。江戸時代らしい奇麗に詰んだ小板目肌鍛えに沸深い湾れ出来の刃文。姿格好が研ぎ減りなくしっかりとして健全体躯を保っている。
撫子図鐔 加賀後藤 撫子図鐔 加賀後藤 後藤家は基本的に鐔や縁頭を製作しなかった。この鐔はとても奇麗なため、また後藤家の作品を考える上でも興味深い存在であるところから、幾度か紹介している。加賀後藤ならではの作品である。でも、これを製作したのは…
剣 薩州住正良 剣 薩州住正良 江戸後期の薩摩を代表する刀工。如何なる注文者があり、いかなる理由で製作されたものか不明だが、古典の意識下で鍛えられたのであろう。地鉄は、もちろん江戸後期の詰み澄んだ小板目肌鍛えに穏やかな板目が交じるもので、特に…
菊慈童図縁頭 加賀後藤 菊慈童図縁頭 加賀後藤 金地の贅沢な作。水野の作風を先行するように感じられる。菊花や人物には後藤の作風が窺えるも、後藤の本家にはないだろうなと思わせる。細やかな彫口で、人物の描写も優れている。このような無銘物が加賀後藤…
秋草図鐔 金沢住水野作 秋草図鐔 金沢住水野作 秋草は広く好まれた題材。この鐔は、正確な構成からなる図柄を精巧で緻密な高彫で表現している。とても洒落た作品。平象嵌を駆使した作品の多い加賀金工にあり、後藤家に学んだものであろう、赤銅魚子地高彫色…
紫式部図小柄 後藤程乗 紫式部図小柄 後藤程乗 着物が掛けられた衝立が描かれることがある。衝立の向こうに誰がいるの?といった意味合い。上野小柄は、執筆中の紫式部を描いたものと思われる。下はまさに、誰が?何を?といったところで深く追及しない。こ…
合戦図目貫 加賀後藤 合戦図目貫 加賀後藤 作者が加賀後藤の誰とも決定できない作品も多い。後藤の伝統を守りつつも、新しい画題を開発しているようなのが、この夜釣りの福神を描いたものと思われる二所。岩恵比寿という画題が後藤家の伝統にあり、それを下…
剣 祐則 剣 祐則 月山貞一の剣を紹介したことがある。剣などはすでに遠い昔のモノといった印象があるのだが、復古意識によって製作され続けているようだ。明治二十七年に二荒山神社の前で鍛えたというのがこの剣である。二荒山神社は、宇都宮にある下野国の…
門付け芸図小柄 後藤程乗 門付け芸図小柄 後藤程乗 越後獅子、鳥追など正月の街角を彩る門付け芸が題材。金の魚子地に金の塑像を据紋しており、色鮮やかにして風格もある。拡大写真を見てほしい。精巧で緻密な彫刻により、小さな人物の塑像ながら身体に動き…
短刀 貞晴 短刀 貞晴 明治初期の貞晴は月山貞一の一門。この短刀も、六寸半ほどの小振りに仕立てられている。奇麗な銀地揃金具クジラ巻の短刀拵に収められており、武家の装いに応じた洒落た雰囲気があるも、抜き易さと堅牢性を求めた極めて実用的な作である…
十二支図目貫 後藤顕乗 十二支図目貫 後藤顕乗 金無垢地の目貫は、そもそも華やかな素材だが珍しくもない。獅子や龍の図の目貫が伝統としてある。図柄が、この狭い空域に十二支を描き込むという発想からなる図柄に華やかさが感じられる。これが加賀後藤の風…
日枝山王祭図小柄 後藤顕乗 日枝山王祭図小柄 後藤顕乗 何度か紹介している、加賀後藤らしい華やかな作。今更説明も不要だろうが、簡単にいうと、平安時代、比叡山の僧兵が、強訴という形で京に押し寄せた歴史がある。その様態が祭りとして遺されているので…
「加賀後藤」と分類される作品群がある。銘に「加賀後藤何某」と記されているわけではなく、後藤家の中でも加賀前田家に出仕し、加賀金工の発展に貢献した後藤程乗など後藤家の諸工、およびその影響を受けた加賀の金工の手になるもので後藤風の作品を指す。…
源氏物語浮舟図三所物 後藤程乗 源氏物語浮舟図三所物 後藤程乗 いけないことと知りつつ今の想いに流されてしまう…。『源氏物語』は、そんな恋の話ばかりだ。ボクは、この浮舟の話が『源氏物語』の中でも一番興味深く感じられ、作者の思いが最も強く入った作…
脇差 國包 脇差 國包 保昌の末と伝える國包の、保昌写しながら、古作とは雰囲気が異なって緻密さが際立つ地鉄が大きな魅力の脇差。國包は江戸最初期の刀工。切れ味最上大業物に列せられているように、奇麗さだけではない武器としての実力を秘めている。地沸…
小督と仲國図鐔 包教 小督と仲國図鐔 包教 ここでも月は説明的だ。もちろん月はあったほうがいい。高倉天皇に寵愛されていた小督であったが、平清盛に疎まれて自ら身を隠してしまった。その小督を探し出すよう命じられたのが仲國。小督は琴の名手。仲國は笛…