鐔・日本刀 鑑賞記

日本刀の鐔や小道具の美しさを再確認

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

歳寒二雅図小柄 後藤誠意

歳寒二雅図小柄 後藤誠意 梅と竹の組み合わせ。寒さに耐えて咲く梅と雪の中でも清らかな青さを絶やすことのない竹。表は平象嵌を駆使して判りやすい。裏の竹は片切彫。先に紹介した政鑢の猛虎図小柄に通じる描法。

歳寒二雅図小柄 後藤誠意

歳寒二雅図小柄 後藤誠意 梅と竹の組み合わせ。寒さに耐えて咲く梅と雪の中でも清らかな青さを絶やすことのない竹。表は平象嵌を駆使して判りやすい。裏の竹は片切彫。先に紹介した政鑢の猛虎図小柄に通じる描法。

猛虎図小柄 政盧

猛虎図小柄 政盧 政随の同図を手本とした、浜野門流の政盧の作。表は目玉を活かした構図。裏は簡潔でしかも力強い片切彫で、虎の潜む竹林を暗示する竹を表現している。縦長の小柄そのものを竹の幹として捉えている点が面白い。

馬師皇図小柄 乗意

馬師皇図小柄 乗意 乗意は奈良四天王の一人で、本作のような精巧な肉合彫を得意とした。この描画はごく薄い肉彫仕立てであるにもかかわらず立体的。裏面も同様の薄肉表現による肉合彫。もちろん、小柄櫃に触れないよう、わずかに鋤き下げた部分に子供の姿を…

能舞台図小柄

能舞台図小柄 広重(花押) 演題は何だろう。裏面は能舞台を意味する若松。毛彫と金の色絵か平象嵌で舞台を描いている。平坦な描法を採らざるを得ない裏面だが、色金を用いることによって、表現域が広がったと考えて良いだろうし、裏面を使うことの面白さも理…

三国志図小柄 横谷英精

三国志図小柄 横谷英精 武人の高彫表現に迫力があって魅力的な小柄。裏板も力のある片切彫で松樹が彫り表わされている。裏板は当然のこと高彫表現ができない。だから切り込んだように彫口の深い描法として変化をつけている。片切彫というと横谷宗珉が得意と…

蛍図小柄 後藤廉乗

蛍図小柄 後藤廉乗 後藤宗家十代廉乗の作であることを、同十六代光晃が極めた作。古式の赤銅魚子地高彫された地板嵌め込み式ではなく、直接彫り込んだもの。裏板に川辺の様子を銀で表現している。地板に刻された鑢も川の流れを想わせる構成。この鑢目が興味…

寿老人図小柄 後藤悦乗

寿老人図小柄 後藤悦乗 朧銀地に毛彫と、ごくわずかな量感を持たせた肉合彫風の手法で彫り描かれている。裏板は片切彫。悦乗は程乗の子。

鯨図小柄 二題

鯨図小柄 岩本派 表に鯨の頭の辺りのみ描いている。このような部分の描写だけでも鯨と理解できよう。裏面が波。 鯨図小柄 吉岡因幡介照次 表の表現はよく似ている。面白いのは裏板に鯨漁の様子が片切彫で描かれているところ。 波文だけでは物足りなく感じら…

扇流し図小柄 古金工

扇流し図小柄 古金工 幅広く少し長めに仕立てられた、所謂大小柄。扇流し図は、川に落としてしまった扇が、流されることによって思わぬ美観を呈したことから図に採られたというエピソードがある。着物や他の器物の図として頗る多く、またこれが展開されて破…

鏃図小柄 後藤程乗

鏃図小柄 程乗作 光壽(花押) 小柄にも表裏がある。 小柄の裏面は、小柄櫃に収められているため、拵に装着されている状態では見ることができない。多くは平滑に仕立てられて鑢が切り施されているのみで装飾がない。後藤の作では金の薄板が焼き付けられた金哺…

達磨図鐔 一東子龍翁

達磨図鐔 一東子龍翁 金家も達磨図鐔を製作しているが、本作は金家とは表現が全く異なっている。裏面は達磨大師が揚子江を葦に乗って渡ったという伝説を意味し、表は壁に向かって座り続けた修行の様子。いずれも伝説ながら具体的な情景を想わせるような試み…

蝸牛図鐔 政随

蝸牛図鐔 政随 鐔の下方に蝸牛。中間から上は平滑に仕上げられているのみ。地鉄に凹凸も鑢目もない。これも余白なのであろうか。 一つ気になるのが耳の処理だ。打ち返し処理がなされていることによって鐔の耳が端部でなくなり、広がりを生み出している。金家…

塔山水図鐔 金家

塔山水図鐔 金家 多分写真だけでは理解していただけないのではなかろうか。実物を手にしたとき、ちょっとした光線の加減で様々な景色が見えてくることがある。 でも、金家とはそのような視覚的な問題でもなさそうだ。主題の図柄はどうでもいいわけではないが…

猿猴図鐔 金家

猿猴図鐔 金家 簡単に言うと、何も描かれていない部分があるのだが、そこに景色が感じられたらそれでいい。金家とはそのような作品である。

山城國伏見住金家

飛脚図鐔 金家 羅漢図鐔 金家 余白を巧みに表現した鐔工として第一に挙げられるのが金家。因みに、この金家も基本的に表裏異なる図柄を彫り描いている。飛脚図や猿猴図は山中に取材したものと捉えれば表裏連続しているが、羅漢図のような表に主題を描き、裏…

山水図鐔 古正阿弥

山水図鐔 古正阿弥 これも表裏の図変り。 確かに山水で関連しているのだが、視点が異なる。 意図しての図変わりであることは間違いない。 山水図というと金家を思い浮かべるのだが、金家は余白を活かした鐔を遺している。 比較すると、似たような題に取材し…

春蘭図鐔 政晴

春蘭図鐔 梶田政晴 これも表裏図変わりなのだが、こうなると意味合いがぐっと身近になってくる。 裏側の金銀の平象嵌散しを、色紙の裏の装飾と捉えれば、表裏の意味がわかり易い。 春蘭図は、背景を省略して主題を鮮明に浮かび上がらせている。 即ち余白を活…

古金工

黄石公に張良図鐔 古金工 裏が木賊刈図の表裏図変りの鐔。 鐔の表裏で図が異なっている作例が間々ある。 特に時代の上がる金工鐔に見られるのだが、その意味、目的が判らない。 この作例では謡曲に原題が求められそうである。 唐草文図鐔 古金工 これも同じ…