鐔・日本刀 鑑賞記

日本刀の鐔や小道具の美しさを再確認

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

松樹に雉子図鐔 荒井辰成 Tatsunari Tsuba

松樹に雉子図鐔 荒井辰成 松樹に雉子図鐔 銘荒井辰成(花押) 朧銀地高彫金銀素銅色絵象嵌。老松に蔦の絡まる様子は秋。その下に独り立つ雉子は高彫に翼文様は素銅の色を活かした平象嵌で鮮やか。独特の世界観が窺える作品である。ちょっとシュールに感じられ…

雉子図鐔 石黒是美 Koreyoshi Tsuba

雉子図鐔 石黒是美 雉子図鐔 銘石黒是美(花押) 石黒派が最も得意とした正確な構成で精巧細密に彫り出し、写実表現した花鳥図。雉子は桜などと共に描かれることが多く春の鳥として捉えられることが多いのだが、このように眺めてみると、春に留まらない、夏か…

雉子図縁頭 岩本昆寛 Konkan Fuchigashira

雉子図縁頭 岩本昆寛 雉子図縁頭 銘岩本昆寛(花押) 朝日を背景に繁殖期のオスの、大きく翼を広げて母衣打ちと呼ばれるアッピールをしている場面。赤銅魚子地に高彫金銀朧銀素銅の色絵象嵌。魚子地に薄肉彫、遠くの雲は金色絵、空間を活かした構成で、もちろ…

狐に雉子図縁頭 利壽 Toshinaga Fuchigashira

狐に雉子図縁頭 利壽 狐に雉子図縁頭 銘利壽(花押) 突然の狐に驚く雉子。顔にハート形の赤色文様が浮かび上がっていることから繁殖期にある様子。自然界の一場面を捉え、攻撃的な狐の存在を活かしている。とは言え、なんとなくマンガみたいであるところがう…

椿に雉子図小柄 Kozuka

椿に雉子図小柄 椿に雉子図小柄 早春の水辺に佇む雌雄の雉子。我が国の春の一場面を美しく表現している作品。赤銅魚子地に、赤銅の黒を活かした金銀素銅の色絵をくわえて鮮やかな場面としている。写実的で精密な彫刻による雉子の動きがいい。傍らに咲く椿の…

雉子図小柄 堀江興成 Okinari Kozuka

雉子図小柄 堀江興成 雉子図小柄 銘堀江興成 二月の大雪では、電車も止まり、吹雪の中を歩いて帰った。その折、毎年のような春が来るのだろうかと感じたが…、必ず春が訪れるのは我が国。その自然観。 藤原定家が一年十二ヶ月の花鳥に擬えて詠んだ和歌に取材…

鳥刺に猟犬図鐔 岩本昆壽 Konju Tsuba

鳥刺に猟犬図鐔 岩本昆壽 鳥刺に猟犬図鐔 銘猩々夫岩本昆壽(花押) 昆壽は岩本昆寛の高弟。鳥刺は、鷹狩に使われる鷹の餌を獲る職。犬を使って鳥を追い出すのであろうか。草の茂みから鳥が追い立てられた瞬間を巧みに描いている。装剣小道具に、このような成…

仔犬図目貫 Menuki

仔犬図目貫 仔犬図目貫 誕生したばかりの子犬。ころころとした愛らしい様子が巧みに表現されている。丸々とした目玉、手足も同様に愛らしい。犬が飼い主に対して従順であることに擬えて、犬侍などの言葉があるが、実は仕官の当てがなく浪人している侍からの…

仔犬図小柄 Kozuka

仔犬図小柄 仔犬図小柄 江戸時代後期の作とみているのだが、ここにも貝殻で遊ぶ仔犬が描かれている。このような仔犬のおもちゃは伝統的なものなのであろうが、意味が良く分らない。愛らしい姿が春の野山を背景に描かれている。真鍮地高彫色絵。

仔犬図縁頭 Fuchigashira

仔犬図縁頭 仔犬図縁頭 頭に描かれているのは土佐犬であろう、仔犬とはいえ闘犬の凄みのある容貌を表現している。真鍮地高彫に色絵とし、タンポポを添え描いており、早春の動物の営みを垣間見る作品としている。

仔犬図小柄 後藤光理 Mitumasa Koduka

仔犬図小柄 後藤光理 仔犬図小柄 銘後藤光幸(光理) 快活に遊んでいる仔犬を描いた、後藤宗家十二代光理の作。こうして眺めると、仔犬でさえ後藤家の作品には二疋獅子や二疋牛などの構成と同じ、阿吽の意識が表わされていることが分る。動きと生命感が特に良…

仔犬図目貫 後藤宗乗 Sojo-Goto Menuki

仔犬図目貫 後藤宗乗 仔犬図目貫 後藤宗乗 やはり何かしらの器物をくわえて遊ぶ仔犬を題に得た目貫で、後藤宗乗と極められている。宗乗は室町時代の金工。現代では、この犬がくわえている鋤のような、羽箒のようなものが何を意味しているのか良く分らない。…

仔犬図笄 古後藤 Goto Kogai

仔犬図笄 古後藤 仔犬図笄 古後藤 アワビの貝殻であろうか、紐を付けたその貝殻をくわえて遊ぶ仔犬。良く見かける図柄だが、伝統的な何かを意味しているのか、単に遊んでいる姿として捉えたものか良く分らない。仔犬の快活な様子が古風な彫口で表されている…

仔犬に早蕨図鐔 宗光 Munemitsu Tsuba

仔犬に早蕨図鐔 宗光 仔犬に早蕨図鐔 銘宗光作 蕨 生まれたばかりの子犬の脇に、やはり萌え出たばかりの蕨。両者の丸々と膨らんだ様子が愛らしい。暖かい太陽の存在が明示されている作品である。こんな季節が最も好きだという方が多いと思う。筆者もそんな一…

芍薬図鐔

芍薬図鐔 芍薬図鐔 芍薬 「立てば芍薬、座れば牡丹…」などという言い回しがあるのだが、よく似た牡丹と芍薬の違いはどこにあるのだろうか。芍薬は草で冬枯れがあり、牡丹は木のままで冬を越える、というように違いは明確だが、それでもよく似ているし、花が…

桜に鈴図小柄 Kozuka

桜に鈴図小柄 桜に鈴図小柄 桜 何度か紹介しているが、何度見ても面白い構成である。このように、桜に鈴を飾る意味はどこにあるのであろうか、ずっと考えているが、答えが出ない。どなたかご存知の方がおられたら教えてほしい。赤銅魚子地高彫金銀色絵。

木蓮図小柄 侶久 Tomohisa Kozuka

木蓮図小柄 侶久 木蓮図小柄 銘侶久(花押) 木蓮 侶久は江戸時代後期の加賀金工の一人。巧みな画面構成で束ねられた木蓮の小枝を表現している。普通は画面に収めてしまうことが多い枝付きの植物図で、横長の画面を活かしているのだが、天と地を敢えて切り去り…

春蘭図鐔 荒井成利 Naritoshi Tsuba

春蘭図鐔 荒井成利 春蘭図鐔 銘荒井成利(花押) 春蘭 この鐔のように、枝葉を描かずに花のみを構成した作もままみられる。春蘭などは蝶のようにも見えることから、その繊細さが好まれたのであろう。葉をなくすことによって、美観が際立つ例でもある。赤銅魚子…

春蘭図目貫 久則 Hisanori Menuki

春蘭図目貫 久則 春蘭図目貫 銘久則(花押) 春蘭 鳥など小動物を題材にした作品が多く遺されている久則の目貫。久則は丸彫りと呼ばれるような、裏側の一部をも高彫表現するを特徴としている。目貫の裏は、柄に巻き込まれてしまうと高彫表現しても見えないこと…

春蘭図鐔 政富

春蘭図鐔 政富 春蘭図鐔 銘長州住政富作 春蘭 春を代表する花の一つ。理由は不明だが装剣小道具には比較的多く見られる。早春の山を歩くと、可憐なこの花を見つけることがあるのだが、画題ほどにはあまり目立たないのが現実。憧れが強く影響しているのであろ…

若松に鶯図小柄 廉乗 Renjo Kozuka

若松に鶯図小柄 廉乗 若松に鶯図小柄 紋廉乗光晃(花押) 若松に土筆と蕨 漠然と春。だが、鶯が添え描かれており主題は正月の若松であろうか。子供の頃、田舎の神社に初もうでをすると、「初音」と言って竹細工の笛をもらった。それで鶯の鳴きまねをするもので…

ひな祭り図鐔 吉岡因幡介 Inabanosuke

ふと気づいたらもう三月。今年は殊に雪が多く、いつもに比べて春の到来が待ち遠しい。一足はやく、春を感じさせる植物をいくつか・・・。 ひな祭り図鐔 銘吉岡因幡介 桃 暦が異なることから、この時期に桃の花はないが、ひな祭りというと桃の花。以前にも紹…

蓑亀図揃金具 Tsuba・Soroikanagu

蓑亀図揃金具 蓑亀図揃金具 赤銅磨地に金の平象嵌で筆描のように表現した素敵な作。矩随と比較して見ても面白い。いずれも琳派の美観を採り入れていると言って良いだろう。

蓑亀図鐔 松寿軒矩随 Noriyuki Tsuba

蓑亀図鐔 松寿軒矩随 蓑亀図鐔 銘松寿軒矩随(花押) 空間を活かした静かな空気感の漂う作品。赤銅魚子地高彫据紋金色絵。水の流れなどは琳派の影響を受けて頗る絵画的描法。 蓑亀図小柄 銘佐野直好 これも簡潔な作。矩随に比して古典的な描法。顔つきなどは、…

群亀図縁頭 藪常代 Tsuneyo Fuchigashira

群亀図縁頭 藪常代 群亀図縁頭 銘松風軒藪常代(花押) これも水辺に生きる亀を描いたもの。大小揃い。朧銀地高彫に色絵。さらに自然味があり、池を覗き見たような、上からの視線のありようも良く分る。古典的な蓑亀といった作意はないようだが、鄙びた景色と…

群亀図縁頭 春明法眼 Haruaki Fuchigashira

群亀図縁頭 春明法眼 群亀図縁頭 銘春明法眼(花押) 金無垢地高彫に様々な色金を用いて肉高く表現した蓑亀。長命を願い、あるいは得られた長寿に対して感謝の気持ちを表現したもの。金無垢地高彫に色金は置金の手法であり、贅沢感に極まっている。細部まで正…