鐔・日本刀 鑑賞記

日本刀の鐔や小道具の美しさを再確認

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

達磨図鍔 金家 Kaneie Tsuba

達磨図鍔 金家 達磨図鍔 山城国伏見住金家 天地左右が均一ではない耳、変わり形はこの金家から始まった。不定形な造り込みだけでなく、打返しによる独特の仕上げになる耳の抑揚でも特徴的だ。金家を説明すると、説明がどうしても作品に圧されて陳腐に感じて…

布袋和尚留守模様図鍔 埋忠 Umetada Tsuba

布袋和尚留守模様図鍔 埋忠 布袋和尚留守模様図鍔 埋忠派 七宝模様が施された袋。これによって宝袋という見方も出てくるが、布袋和尚の顔がここに重なって見えてしまう。布袋留守模様である。朧銀地高彫金象嵌毛彫。鍔の形状を、竪丸形を基本としながら、結…

布袋和尚図鍔 八道友信 Tomonobu Tsuba

布袋和尚図鍔 八道友信 布袋和尚図鍔 長州萩住八道友信作 前回紹介した鍔と同じ意匠構成。耳のラインが、前回の竪丸形とは異なって不定形。同じように袋を図に採り入れ、袋の持つ柔らか味を変わり形で表している。もともと鍔は木瓜形、丸形、角形などを基本…

布袋和尚図鍔 友周 Tomochika Tsuba

布袋和尚図鍔 友周 布袋和尚図鍔 長門萩住河治権允友周作 布袋和尚が携える大きな袋で耳を構成している。ここまでくると、耳というより鍔の構成そのものが袋と言えよう。鉄地肉彫地透金布目象嵌、和尚の持つ杖や笠は金銀素銅象嵌。表情が穏やかでとても良い…

瓦に桜図鍔 後藤光久 Mitsuhisa Tsuba

瓦に桜図鍔 後藤光久 瓦に桜図鍔 後藤光久 打ち捨てられた瓦に散り掛かる桜。頗る印象的な場面である。そしてまた黒化した銀の桜が、墨染の桜を暗示して面白いが、ここでの桜は、遠い平安の世の雅を想わせる素材。桜の周りに配された金により、この鍔が製作…

波千鳥図鍔 壽明 Toshiaki Tsuba

波千鳥図鍔 壽明 波千鳥図鍔 壽明 以前、東龍斎清壽門人の作を何点か紹介したことがある。その作風に大きな特徴があることは、見ただけで判る。この鐔が東龍斎清壽一門の得意とした意匠構成の典型。耳際を二重、あるいは三重に仕上げ、あたかも洞穴から眺め…

蓬莱図鍔 京金工 Kyo-Kinko Tsuba

蓬莱図鍔 京金工 蓬莱図鍔 京金工 豪壮で華麗な風合い。文化の中心らしい京の品位が感じられる、赤銅魚子地高彫金色絵工法。やはり耳の表現がポイント。地面は魚子地仕上げとして敢えて大地や背景を描かず、耳際にのみ松樹を描き、下の耳際には波を描いて画…

四君子図鍔 壽景 Toshikage Tsuba

四君子図鍔 壽景 四君子図鍔 壽景製 朧銀地高彫金銀色絵。巧みな構成で、しかも優れた彫刻技術で写実表現した四つの植物。気品に満ちてしかも美しい。枝振りも、鍔と言う竪丸形の中に巧みに構成している。作者壽景は優れた感性の持ち主である。ここで説明し…

猛虎図鍔 薩摩 Satsuma Tsuba

猛虎図鍔 薩摩 猛虎図鍔 薩摩 二、三紹介したように、主題に関連させて耳にも装飾を施した例は江戸時代に多くなっている。それはもう、鍔本来の耳ではない。画面の一部になっているのだ。この鍔では竹林に虎という、伝統的な取り合わせだが、竹林を描くこと…

錨図鍔 Tsuba

錨図鍔 錨図鍔 波立つ海原を鍔全面に描き、大胆にも錨を透かしで描いている。それだけでもいいものを、さらに錨を繋ぐ綱を耳に構成している。これによって一際錨の存在感が高まり、しかも土手耳の効果も生まれている。簡素な手法だが頗る面白い。

牛図鍔 庄内 Syonai Tsuba

牛図鍔 庄内 牛図鍔 庄内 何とも鄙びた味わいのある鍔。見た通りの図柄構成で、しかも素材が持つ美観、真鍮地が活きている。ここでは牛を引く綱が耳に構成されている。牛を描く場合、背中などが耳のラインとして採られることもあるが、ここでは綱が巧みに採…

脇差 景吉(主水正正清) Kageyoshi(Masakiyo) Wakizashi

脇差 景吉(主水正正清) 脇差 景吉作 これも主水正正清の若い頃の作。正清は惣左衛門正房の門人。正房は美濃の作風を下地とし、相州伝を加味した江戸時代初期に見られるような頑強な作を専らとした。そのため、正清も、景吉と銘を切っていた頃には師正房に…

秋草図鍔 美濃 Mino Tsuba

秋草図鍔 美濃 秋草図鍔 美濃 美濃彫り様式の鍔は幾度か紹介してきた。桃山時代以前の古い作は、地を深く鋤き下げることにより耳を高く文様を高く彫り出し、それらの表面には高彫と色絵を加えて華やかに表現するを特徴としている。この流れは江戸時代に至っ…

木賊図鍔 渡邊壽光 Toshimitsu Tsuba

木賊図鍔 渡邊壽光 木賊図鍔 渡邊壽光 覆輪ではないし土手耳ではないが、明らかに耳を意識し、耳際を肉高く仕立てた作。しかも装飾性に富んだ意匠である。意匠とは言っても束ねた木賊を耳際に構成しているだけのものだが、それが美しいから面白い。壽光は東…

舞鶴図鍔 埋忠就方 Narikata Tsuba

舞鶴図鍔 埋忠就方 舞鶴図鍔 埋忠就方 平田の鍔でも紹介したが、鍔にはこの作のように覆輪が掛けられた作がある。元来は使用上の問題であったものが、次第に美観を高める目的に変化した。この鍔では明らかに地面全体に松葉を彫り描いていることから、覆輪は…

刀 薩州住清盈 Kiyomitsu(Masakiyo) Katana

刀 薩州住清盈(主水正正清) 刀 薩州住清盈作 大変珍しい主水正正清の清盈(きよみつ)銘の作。正清は寛文五年薩摩国の生まれで、惣左衛門正房に相州伝を学んだ。将軍吉宗の命で江戸浜御殿において作刀し、優れた出来であったことから一葉葵紋を賜ったこと…

炭に切枝図鐔 三角 Misumi Tsuba

炭に切枝図鐔 三角 炭に切枝図鐔 三角 肥後金工三角と極められた作。赤銅地を土手耳に仕上げ、耳から地面全体に図柄を鋤彫主要で肉彫に仕上げている。所々に金と素銅の色絵を加える程度。耳は多くが画面である平地部分と鍔の外の空間とを隔絶する、即ち絵画…

雷文図鍔 平安城象嵌 Heianjo-zogan Tsuba

雷文図鍔 平安城象嵌 雷文図鍔 平安城象嵌 過去にも紹介したと思うが、どうしても忘れることのできないのがこの鍔である。室町時代の、肉厚の土手耳を持つ甲冑師風の構造の鍔に、線象嵌による雷文を平地に、耳には菊花のような文様を施している。この簡潔な…

雷文図鍔 中根 Nakane Tsuba

雷文図鍔 中根 雷文図鍔 中根 耳に雷文を廻らせるという装飾のみの鍔がある。肥後金工の中根が得意としたようで、無銘の作を良く見かける。何らかの意味が備わっているのであろうと思うのだが、あまり追求しない方が良いのかもしれない。装飾はこれだけ。簡…

雨龍図鍔 仙台清定 Kiyosada Tsuba

雨龍図鍔 仙台清定 雨龍図鍔 仙台清定 金の平象嵌や線象嵌による繊細で緻密な文様表現を得意としたのが仙台清定。平象嵌が地面よりわずかに高いという特徴がある。この鍔と縁頭が典型的作品。地面は石目地処理。線描写が赤銅の黒地にすっきりと起っている。…