鐔・日本刀 鑑賞記

日本刀の鐔や小道具の美しさを再確認

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

文様図鐔 古金工 Kokinko Tsuba

文様図鐔 古金工 文様図鐔 古金工 時代の上がる魚子地の例。刀身と拵が如何なる様式であったものか、頗る興味深い作。素銅地に簡潔な毛彫と透かし、魚子地は古拙であり面白い。時代の上がる仏具の彫刻手法をみているようだ。魚子が整然としていない。打ち込…

紅葉に鹿図鐔 加賀 Kaga Tsuba

紅葉に鹿図鐔 加賀 紅葉に鹿図鐔 加賀 加賀金工の手になる平象嵌を駆使した作。加賀には微細な石目地などで平滑に仕上げた地面に繊細な平象嵌を施した作があり、加賀象嵌とも呼ばれている。ここでは、鹿を高彫平象嵌で表し、裏面の紅葉を金、朧銀、素銅の色…

雨龍図鍔 甚吾 Jingo Tsuba

雨龍図鍔 甚吾 雨龍図鍔 甚吾 もちろん鉄地にも腐らかし手法は活用されている。この鍔は、これまで紹介してきた金工物の腐らかしと全く同じ手法で処理した作。龍の部分のみ腐らかしを逃れて浮かび上がっているのだ。地鉄は斑になって龍神の背後の空気感を演…

桐図鐔 肥後 Higo Tsuba

桐図鐔 肥後 桐図鐔 肥後 赤銅地の表面を腐らかしの手法で石目地状に仕上げ、腐らかしの処理をしなかった部分で花桐を浮かび上がらせている。鉄錆地のような自然な凹凸が連続しており、赤銅地ながら求めた肌合いは鉄鐔の古作で、赤銅の漆黒と金の小縁が新た…

獅子図鐔 雪山 Setsuzan Tsuba

獅子図鐔 雪山 獅子図鐔 雪山(花押) 先に紹介した高山の弟子が雪山。真鍮地高彫。腐らかしの手法を的確に自作に採り入れている。この雪山が、後に一宮長常と改銘したと伝えられている。後の長常の頃の作風とはずいぶん異なるので、少々戸惑うこともあるだろ…

蟹図鐔 高山 Kouzan Tsuba

蟹図鐔 高山 蟹図鐔 高山(花押) 浜に打ち寄せる波が描く自然の文様を演出したものであろう、腐らかしを巧みに蟹の背景に採り入れている。真鍮地高彫色絵象嵌腐らかし。腐らかしを活用したとはいえ、意図したように自由に文様が描けるものではなかろう。先に…

波に龍図鐔 平戸住国重 Kunishige Tsuba

波に龍図鐔 平戸住国重 波に龍図鐔 平戸住国重 真鍮地を腐らかしにし、波や龍の背景に地文を施している。荒れた海、あるいは龍神の背後にある空気感を演出したものであろう、江戸時代には、このように作品に関連させて腐らかしを活用している。この鍔では、…

家紋図鐔 阿波正阿弥 Awa-shoami Tsuba

家紋図鐔 阿波正阿弥 家紋図鐔 阿波正阿弥 色揚げについて。総ての装剣金工作品は色揚げが行われている。色揚げを行われなければ、赤銅も、素銅も、山銅も、朧銀もほとんど見分けがつかないような新鮮な10円玉のような色合いである。金工による秘伝であると…

二雅図小柄 一琴 Ikkin Kozuka

二雅図小柄 一琴 二雅図小柄 一琴(花押) 江戸時代後期の金工、船田一琴の作。朧銀の特徴的な肌模様が窺える仕上げ。地面は磨地とも微細な石目地とも判じ得ないような自然味のある平滑な肌である。その表面に、金属組織の様子を明示している。朧銀地は銅と銀…

馬図縁頭 遊洛斎赤文 Sekibun Fuchigashira

馬図縁頭 遊洛斎赤文 馬図縁頭 遊洛斎赤文 素銅磨地片切彫毛彫平象嵌。赤文は江戸時代後期に活躍した作者だが、地金は古作を手本としているようだ。先の古金工の笄と同じ地模様が、磨地の表面に観察される。真鍮地でも素銅地でも、地模様が確認できないよう…

花に千鳥図笄 古金工 Kokinko Kogai

花に千鳥図笄 古金工 花に千鳥図笄 古金工 逆耳に仕立てられた古い形式の笄。江戸時代の耳と刃逆に仕立てられている例が、南北朝時代と推考される作に間々見られることにより、古い形式の一つと考えられている。地金は素銅。仔細に観察すると、表面に金属組…

菊花図鐔 Tsuba

菊花図鐔 菊花図鐔 鉄地肉彫に金銀の布目象嵌を施していることから、古正阿弥の技術を用いた作と鑑られている。だが、作風から肥後金工の手になるものと鑑て良いだろう。図柄も肥後菊を想わせる。このような鉄地肉彫による菊花の表情も面白いのだが、ここで…

牡丹唐草文図鐔 平田 Hirata Tsuba

牡丹唐草文図鐔 平田 牡丹唐草文図鐔 平田 西垣に先んじて腐らかしを得意としたのが同じ肥後国の金工平田彦三である。その技術が西垣などに伝えられた。この鐔は山銅地を腐らかしている。これも地肌は石目地状になり、筋状の地模様は見られない。すると、筋…

桐桜九曜紋図鐔 西垣 Nishigaki Tsuba

桐桜九曜紋図鐔 西垣 桐桜九曜紋図鐔 西垣 前回の鍔と同様に腐らかしを施すことによって文様を浮かび上がらせた作だが、表面の地模様が真鍮地のものとは少々違って見えると思う。この鐔は素銅地である。文様の周囲を腐らかしによって文様を浮かび上がらせて…

桐桜唐草文図鐔 西垣 Nishigaki Tsuba

桐桜唐草文図鐔 西垣 桐桜唐草文図鐔 西垣 腐らかしの手法で真鍮地の表面に桐文を濃密に散し配した作。これもかつては微細な鑢目を文様の周囲に施すことによって表現したものと考えられていた。文様部分に耐腐蝕性の物質などを塗り、その周囲を腐らかすこと…

瓢箪図鐔 古金工 Kokinko Tsuba

瓢箪図鐔 古金工 瓢箪図鐔 古金工 参考例で示している埋忠明壽の拡大写真を再度ご覧いただきたい。光忠の地金と良くにた肌合いとなっている。この肌模様を表わすためには単純に真鍮地の表面を酸などで腐らかし処理をするだけでは生まれないだろう。真鍮とい…

猛禽に葡萄図鐔 光忠 Mitsutada Tsuba

猛禽に葡萄図鐔 光忠 猛禽に葡萄図鐔 銘光忠 光忠は、埋忠明壽に近い金工であると考えられている一人。明壽に比較してさらに時代の上がる風情を示していることから、先行しているのではないだろうかともみられている。確かに明壽は、似たような地造りや、仕…

文散し図鐔 Tsuba

文散し図鐔 文散し図鐔 これも作者不明、時代も不明な作。古金工と推考している。山銅地を平滑に仕上げ、金銀の平象嵌を配し、線状の平象嵌も加えているが、だいぶ脱落している。仔細に観察すると、彫り込んだ線の所々に金が斑で残っている。しかも金線が少…

文字散し図小柄 Kozuka

文字散し図小柄 文字散し図小柄 作者系統不明の作だが、埋忠派のようなごくわずかに肉高い平象嵌が施されている。使用中に脱落したものであろう、象嵌の落ちた部分の様子が観察される。象嵌の下地を見ると、彫り込まれた底の部分に、さらに深く彫り込みが加…

瓢箪図笄 古後藤 Kogoto Kogai

瓢箪図笄 古後藤 瓢箪図笄 古後藤 赤銅地金銀平象嵌。現在は桃山時代以前の後藤家の作(古後藤)と極められてはいるが、かつては埋忠の作と鑑られていたもの。拡大写真でも判るように、平象嵌部分が地面よりわずかに肉高く処理されているという特徴がある。こ…

秋草に鹿図鐔 美濃 Mino Tsuba

秋草に鹿図鐔 美濃 秋草に鹿図鐔 美濃 美濃彫様式を展開した江戸時代初期の鐔。秋草の布置に文様的な構成から絵画的な展開が窺いとれる。植物と鹿のバランスは古典的であり、それゆえに文様風でもある。赤銅魚子地高彫色絵、鹿の斑文は栄乗のそれと同様に平…

夫婦鹿図目貫 後藤栄乗 Eijo-Goto Menuki

夫婦鹿図目貫 後藤栄乗 夫婦鹿図目貫 後藤栄乗 後藤宗家六代栄乗の作と極められた目貫。先に紹介した祐乗極めの笄と比較して鑑賞されたい。裏面の観察では、象嵌が施されている部分にのみ表面からの打ち込みが観察される。深い象嵌処理を施すのであれば当然…

二疋馬図笄 祐乗 Yujo-Goto Kogai

二疋馬図笄 祐乗 二疋馬図笄 銘祐乗作光理(花押) 後藤家初代祐乗の作であることを、同十二代光理が極めて銘を刻したもの。後藤家らしい二疋の動物を併走させた図で、阿吽の相が窺いとれる。くっきりとした高彫に色絵と平象嵌が施されている。鬣が色絵、斑文…