2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
刀 彦兵衛尉祐定 刀 備前國住長舩彦兵衛尉祐定 文亀三年 刃長一尺八寸七分、反り五分五厘。腰元に草の剣巻龍の彫物があり、上身には棒樋が掻かれている。上位の武将の備え。時代に応じた抜刀し易い片手打ちの名品である。地鉄は良く詰んだ杢交じりの板目肌だ…
祐定の工銘は、全刀工の中でも最も多い。祐定は戦国時代に隆盛した作刀技術集団であり、現代風に言えば規格化された製造工程を持つ武器製造会社である。良く言われるように、量産品の製作は分業であった。特別の注文作に関しては、与三左衛門尉や源兵衛尉の…
脇差 横山上野大掾祐定 脇差 横山上野大掾祐定 江戸時代における祐定家の隆盛は、この工の力によるところが多い。上野大掾祐定は七兵衛尉の子。腰開き互の目の焼頭に小丁子を複合させて蟹の爪状、或いは角刃、矢筈刃としている。良く詰んだ地鉄に刃文も明る…
刀 七兵衛尉祐定 刀 七兵衛尉祐定寛文三年 七兵衛尉祐定は、与三左衛門尉祐定の五代孫。戦国時代の祐定など長舩鍛冶は、天正十九年の水害で鍛冶場を失い、亡くなった刀工もあり、言わば長舩鍛冶の壊滅であった。だがわずかの刀工がその技術を守り、江戸時代…
脇差 相模守泰幸 脇差 相模守泰幸 この泰幸は寛文頃の刀工。美濃の出で、他の刀工と同様に移住した尾張を活躍の場とした。やはり他の多くの美濃刀工と同様に相州伝を強く意識した作風である。地鉄は詰んだ小板目肌で地沸が厚く付く。刃文は小互の目に厚い沸…
刀 伯州秀春 刀 伯州秀春 この秀春は、伯耆国の幕末の刀工。二尺五寸強の堂々とした造り込み。地鉄は良く詰んだ小杢目肌。地沸が付いてしっとりとした感がある。刃文は互の目が上下に長く伸びるような構成で、ちょっと変わった趣となり、工夫の跡が窺える。…
刀 播磨大掾忠國 刀 播磨大掾忠國 これも忠國の刀。二尺四寸強の寸法で、元先の身幅しっかりとし、張りのある姿格好。地鉄は小板目肌が詰んで地沸が付いた極上の肥前肌。肥前刀というと忠吉系の直刃が思い浮かぶのだが、忠國は互の目に変化をつけた乱刃が得…
刀 播磨大掾忠國 刀 播磨大掾忠國 研磨の技法が要因で刃文が弱く見えるのだが、光に翳してみると鮮やかに輝く冴えた出来。しかも出入複雑に乱れが強く、互の目の頭は矢筈状に左右に開くなど、独創と工夫の跡が窺える。刃中に広がる足を金線を伴う砂流しが切…
脇差 駿河守國正 脇差 駿河守國正 この國正は江戸時代前期の伊予宇和島の刀工。一尺八分の平造小脇差で、小板目鍛えが良く詰んで広直刃調の刃文を焼いている。小沸に匂の複合した焼刃は、真直ぐではなく、小模様に浅く乱れている。ごくごく小さな互の目が交…
刀 肥前國忠廣 刀 肥前國忠廣(五代忠吉) 二尺五寸強の身幅広く重ねの厚い堂々たる体躯。上三代があまりにも有名であったが故、以降の忠吉は少々影が薄くなってしまったが、代々の忠吉はこのような美しく力強い、優れた作品を遺している。地鉄は伝統的肥前肌…
刀 和泉守國貞 刀 和泉守國貞 初代國貞のかなり強い乱刃出来。安定感のある姿格好に、網目状に淡い地景の入る地鉄。無地風の微塵な梨子地風といった感じではなく、また荒いわけでもなく肌目に強みが感じられる。刃文は綺麗な小互の目乱刃。沸が深く強く、鍛…
脇差 越前國兼法 脇差 越前國兼法寛永五年 これも兼法。一尺三寸強、身幅広く鎬が張って重ね厚く、大鋒。江戸最初期の典型的造り込み。刃文は表が沸筋砂流し金線が交じって穏やかに流れる湾れが主体の構成、裏は互の目が顕著で、帽子はいずれも乱れ込んで先…
短刀 兼法 短刀 兼法 江戸時代最初期慶長頃の越前刀工。刃長一尺弱。身幅の広い、戦国期からこの時代にかけての特徴的覇気に富んだ姿格好。地鉄鍛えは古刀を想わせる板目が激しく現れたもので、地景が絡んでとても力強い景色となっている。刃文は湾れに小互…
刀 安穏寺正幸 刀 安穏寺正幸 この正幸は江戸前期の陸奥国相馬の刀工。全国を視野に入れると知名度の低いあまり聞かない工銘だが、かなり出来の良い作品を遺している。この刀は、小板目肌が良く詰んで鎬地は柾目調に江戸期の刀の掟通り。刃文は小沸出来の湾…
刀 和泉守兼定 刀 和泉守兼定 会津十一代兼定の直刃出来の刀。慶応三年八月紀であり、動乱の最中の作。二尺三寸強、反り四分五厘の扱い易い寸法と反り格好。柾目鍛えの地鉄は刷毛で撫でたように綺麗に揃った肌目が連なり、鍛着が密に良く詰んでいる。折損を…
大小刀 長運斎綱俊 大小刀 長運斎綱俊 綱俊は加藤八郎と称し生国が出羽国米沢。水心子正秀の門人加藤國秀の二男として寛政十年に生まれた。江戸に上って父と同じ水心子正秀の門に学び、天保年間から長運斎の号を用い、米沢藩上杉家の抱工として江戸麻布飯倉…
脇差 信國吉正 脇差 信國吉正 信國吉正は、筑前信國派の、黒田家に仕えた寛文頃の工。刃長一尺七寸強のこの脇差は、室内での戦いに利のある短い刀として機能したものであろう。地鉄はザングリと肌立つ感のある小板目肌で、いかにも切れそうな地鉄造り。刃文…
脇差 手柄山氏繁 脇差 手柄山氏繁 この手柄山氏繁は手柄山正繁の甥で、播州姫路の本家を継いだ工。助廣流の濤瀾乱や大互の目の刃文を得意としており、本作が典型。小板目鍛えがみずみずしく詰んだ様子も助廣流。本作は注文によるもので、寸法一寸七寸強、身…
刀 延寿國秀 刀 延寿國秀 江戸後期の肥後延寿派の刀工。鎌倉期に山城から移住して栄えた延寿國村の末という。もちろん地鉄は古作のような作風ではなく、江戸時代の良く詰んだ小板目鍛えで、湾れ刃を焼いた出来。刃先が柾状になっているのであろう、刃先の線…
脇差 信濃大掾忠國 脇差 信濃大掾忠國 大小の互の目を連続させながらも、その構成に揃ったところを求めない、自然な流れを感じさせる刃文。互の目の中には、足を切って流れるような砂流し、金線、沸筋があり、これも美観の一つとなっている。忠國は出羽大掾…
脇差 河内守行平 脇差 河内守行平 この刀工の活躍期は江戸時代前期。豊後の出だが、肥前唐津、江戸、相州綱広の相州伝など、各地を巡り作刀技術を会得している。この脇差は、地鉄鍛えに柾目や板目が綺麗に浮かび上がるよう工夫を凝らしたもの。全体が柾目調…
刀 澤原重胤 刀 澤原重胤 新刀期以降の有名刀工はもちろんだが、あまり知られていない刀工についても、綺麗な刃文を焼いている作品を紹介している。号付された有名な刀剣類だけでなく、多くの刀工があり、知名度が低くても良い作品を遺していることを知って…
刀 横山祐包 刀 横山祐包 銘に友成五十八代孫と切り添える、江戸後期の備前鍛冶。拳のような綺麗に揃った小互の目丁子を焼くことで知られているが、本作のような腰開き互の目に小湾れを交えたような刃文も焼く。地鉄はこの頃に特徴的な小板目肌で良く詰み、…
脇差 相模守國綱 脇差 相模守國綱 江戸時代初期の越前の刀工。越前には、戦国時代以降美濃から移住してきた刀工が多く活躍している。また、江戸時代に至ると、江戸に活躍の場を求めた刀工も多い。この國綱もそうした一人。地鉄は良く詰んだ小板目肌で、鎬地…
刀 丹波守吉道 刀 丹波守吉道 大坂に移住した吉道の、美しくも吉道一門の作風の特徴が良く現れている作。時代は延宝頃で、大坂では真改や助廣などが活躍している。この吉道は、父祖の創案したこの刃文構成を以て彼らに対抗していたのであろう。筆者は、助廣…