2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧
脇差 備前介宗次 脇差 備前介宗次安政五年 孫六写しの一尺三寸強の鎬造の脇差。寸を短く造り込んでおり、明らかに実戦で使うことを考えている。度々説明しているが、一尺~一尺三寸くらいの寸法の脇差は頗る使い勝手が良いことから、南北朝時代から戦国時代…
清め草図鍔 赤坂忠重 清め草図鍔 赤坂忠重 神事に関わる束ねられた植物。このような熨斗状に束ねられた植物では、藻刈りの神事の海藻、あるいは根引きの菖蒲などがある。いずれも清浄なる存在であり、好まれた図柄。一見して水辺の植物にも思えるが、下部に…
脇差 固山宗次 脇差 固山宗次天保五年 固山宗次による孫六兼元写しの平造。小板目鍛えの地鉄は刃寄り柾状に揺れて流れる態で、うっすらと関映りも窺え、地相に凄みが感じられる。平造は、刀や太刀の添え差しとされて極めて実戦的な武器であったことはたびた…
武蔵野図鍔 正阿弥 武蔵野図鍔 正阿弥 赤坂をも想わせるような構成。透かしの線がとても美しい。このような優れた構成を成すことから正阿弥派の技術が高い評価を得ているのだ。
刀 岩代国住兼定 刀 岩代国住兼定明治三年二月日 刃長二尺二寸五分、反り四分。明治に入ってからの、十一代兼定の作だが、作風は前回紹介した刀によく似ている。元先の身幅は尋常に重ねも鎬で二分三厘だから扱い易い体躯に仕上がっている。柾目鍛えの地鉄に…
武蔵野図鍔 友直 武蔵野図鍔 友直 細葉を長く伸ばすスゲ。これも荒れ野の印象を強く漂わせる植物だ。この鍔では巧みに葉を交差させて輪違いのような曲線の美しさを際立たせている。銀の露象嵌を散し、早朝の印象をも漂わせている。
刀 和泉守兼定 刀 和泉守兼定慶應三丁卯年八月日 会津十一代の兼定である。先に紹介した之定の末流と伝え、秀國とは同時期に活躍していた。土方歳三がこの刀工の刀を使用していたと伝えられていることから異常とも言い得る人気だ。今に遺されている確実な資…
武蔵の図鍔 赤坂 武蔵の図鍔 赤坂 芦の枯れた様子のみが描かれている。これを武蔵野図と呼んでいる。これも『伊勢物語』東下りに取材したもので、在原業平が、東国の芦原を眺めて遠い京を思い浮かべている図。「古歌に詠われた地を巡る旅とは言え、何てとこ…
刀 大和守源秀國 刀 大和守源秀國慶應三年二月日 刃長二尺三寸四分強、反り三分強。いかにも実戦を想定した造りで、慶応三年の年紀も騒乱の最中の作であることを物語っており、この刀が生きた背景や存在感に興味が及ぶ。この前年に大和守を受領していること…
帰雁図鍔 赤坂 帰雁図鍔 赤坂 水辺に鳥と言えば、ススキや芦を背景に舞い下りる雁が構成されることが多い。この鍔で風に揺れるのは芦原。武蔵野の一面だ。特にすっきりとした赤坂らしい透の構成線である。
刀 元興 刀 元興 孫六兼元を手本とした刀。作者は、この後に秀國と改名した松軒元興。元興は、十一代兼定と共に幕末期に活躍した会津の刀工で、兼定同様に新撰組の信頼を得て近藤局長より数振りの刀の製作を依頼されている。数多く新撰組関連の志士が佩用し…
淀水車図鍔 京透 淀水車図鍔 京透 水辺の風景に取材した鐔では、このような建造物に題を得た作もある。中でも淀の水車は観光名所的な要素があり、江戸時代の風景画にも遺されている。線と面の美しい構成が魅力だ。装剣小道具としては比較的良く見かける図で…
短刀 兼元 短刀 兼元(孫六) 前回紹介した短刀とは、製作の意識として違っている。鎌倉時代の短刀を手本としたものと推考され、小振りに姿が良い。地鉄も小板目状に良く詰んでおり、改良と進化が窺える。このような小板目鍛えも江戸時代の一般的な刀の地鉄に…
杜若図鍔 京透 杜若図鍔 京透 これも動きのある杜若図。京透の極めが付いているも、肥後風にひしゃげている、面白い作である。多様に意匠される杜若だ。
短刀 兼元 短刀 兼元(孫六) 孫六兼元。わずかに区送りされており、刃長が一尺二分で、現代の分類では脇差とされるところだが、戦国時代には短刀、時には小脇差とされていたものであろう、大刀の添え差しという位置付けにあって重宝されていたことが想像され…
杜若図鍔 京透 杜若図鍔 京透 なんて素敵な構成でしょう。耳に抑揚をつけて水面の動きを表現しているのでしょう。水玉が早朝の景色であることを意味しているようでもあります。
刀 兼元(孫六) 刀 兼元(孫六) 之定に並んで知名度の高い孫六兼元の、磨り上げながら孫六らしい造り込みの出来。二寸ほどの磨り上げで、現在は二尺七分、元来は二尺二寸半ほどの扱い易い寸法。身幅広く先幅広く、大鋒、反り六分、重ね薄く刃先鋭く仕立てて刃…
八橋図鍔 京透 八橋図鍔 京透 同じ構成の八橋だが、ちょっと違う。京透と極められているが、それともちょっと違って肥後のようにも感じられる。図柄構成の基礎は同じだ。橋の上にあるのは雲。左右に杜若があり、橋の下も水鳥が飛翔している。これらの組合せ…
脇差 和泉守兼定(之定) 脇差 和泉守兼定(之定) 薙刀を脇差に仕立て直したもの。刃長一尺五寸強、反り三分半。斬れ味優れた武器であり、さぞや戦場では活躍したであろう。刀身に「人間無骨」の文字彫刻があり、この薙刀を一振りされたら抗い得るものなど…
八橋図鍔 京透 八橋図鍔 京透 八橋は、このように表現されれば、比較的分り易い。とは言っても屋根のようだが。水面辺りに座って和歌を詠んだということであろう、見上げるような構成で、橋の下に群れ咲く杜若を巧みな構成で表現している。
短刀 兼定 短刀 兼定 之定の初期銘であろう、この短刀は、刃長七寸強の姿が良い作。写真は印刷用に仕上げたモノクロしか残っていないのでご容赦ねがいたい。地鉄が綺麗だ。良く詰んだ小板目鍛えに地沸が付いて映りが加わり、全面が白っぽく見えるほど。焼が…
八橋図鍔 赤坂 八橋図鍔 赤坂 なんて素敵なんだろう、このような作があるから透鍔に想いが広がる。『伊勢物語』東下りの一場面。八橋の図 は、和歌が背景にあることから古くから文様表現されている。鍔に採られた例も多い。傘のように構成されているのが八橋…
刀 兼定(之定) 刀 兼定 刃長二尺一寸半、反り五分強。頗る扱い易い打刀である。柄と鐔を装着して手持ちが良いことを確認している。肥後拵に収められており、まさに抜き打ちに用いたもの。戦場で活躍したであろうことが想像される。姿からも物打辺りが使われ…
杜若図鍔 正阿弥 若図鍔 正阿弥 正阿弥派の鋭い感性が示された、素敵な構成の鍔。風に立つ波、水辺の杜若もそれに応じて揺れている。空には水鳥。それらが強弱動きのある線模様で、耳によって切られた円の中に巧みに表現されている。花の部分に銀を含んだ金…
短刀 兼定 短刀 兼定 室町時代後期の美濃刀工の代名的な存在が兼定と孫六である。兼定はその二代目がノサダと呼ばれており、最上大業物作者に指定されていることからも著名で、刀を学んで知らぬ者はない。ノサダとは、定の字のウ冠のしたが之(ノ)となること…
水草に鳥図鍔 正阿弥 水草に鳥図鍔 正阿弥 前回紹介した鐔が水面に浮かぶ水草を想わせる構成とすれば、この鐔は水面からすっきりと枝葉をのばしている水草。その上を飛翔する水鳥をも描き添えて空間的広がりをも演出している。強みのある地鉄に魅力がある。
水草図鍔 正阿弥 水草図鍔 正阿弥 水辺に咲く植物が伸ばす茎と葉を組み合わせて編み目状の構成とし、これが水面の動きのようにも感じさせている。巧みな構図だと思う。葉はハート形、昔風に言うのであれば猪目形で、これを陰陽に組み合せている。
脇差 相州住綱廣 脇差 相州住綱廣 戦国時代も降った文禄頃の相州綱廣の脇差。頑強な造り込みが、戦国時代の綱廣には多い。一尺六寸強だから、激しい打ち合いにも打ち勝てるような意図があったものと思われる。一尺三寸ほどの脇差にもこのような幅広肉厚の作…
輪宝図鍔 正阿弥 輪宝図鍔 正阿弥 流れるような透かしと十字に構成されているところなどは赤坂に似ているが、仔細に観察すると、雰囲気の違いが判る。雲を巧みに用いて動きのある図柄としている。このような図を見ると、正阿弥派の技術と感性の鋭さが再認識…
脇差 相州綱廣 脇差 相州綱廣 刃長一尺一分、反り一分八厘ながら、脇差と表記した。前回紹介した綱家とはほとんど同じ寸法なのだが、どう違うのだろうか。大きな相違点は、この綱広の場合、片切刃造であること。反りが強いこと。片切刃造の短刀がないとは言…